キュンメル男爵の役割ってなんだったんだろう。
season2から登場し、随所随所で伏線を貼られていたハインリッヒ・フォン・キュンメル男爵。
第57話「キュンメル事件」にて、皇帝となったラインハルトに刃を向けるわけですが、彼がストーリーにおいて、また観る側に対してどんな役割を果たしたのかについて考えてみたいと思います。
彼の存在はどんな切り口で捉えるかによって、その役割は色んな様相を表します。
具体的な切り口として以下を挙げてみます。
①野心家としてのハインリッヒ
そもそも彼はフロイラインの弟的な存在で、病弱な人間として登場します。物語の中で芸術家提督メックリンガーが彼の家に訪れるわけですが、その際に彼のうちに秘める野心の存在を視聴者にほのめかします。病弱な身体に生まれたことをもどかしみ、命あるうちに何かを為したい、生きた証を残したい、という彼の野心は歪んだ形で表出するわけです。いつの世にもいそうな人間で、教訓を与えてくれます。
②地球教からみたハインリッヒ
地球教から見れば、これほど利用しやすいコマはないでしょう。何かを為したい、たとえそれが汚れたことでも、とさえ思っているハインリッヒ。彼を焚き付け、ラインハルト暗殺に差し向けるのは容易だったことでしょう。利用される側の心境や付け入る隙について考えることができますね。
③マリーンドルフ家としてのハインリッヒ
マリーンドルフ伯やヒルダから家族同然として扱われるハインリッヒ。そしてマリーンドルフ家は皇帝ラインハルトの側近的な地位にいます。ラインハルトの腹心であるマリーンドルフ家の一員がこんな事件を起こしてしまっては、必然的にフロイラインやマリーンドルフ伯も謹慎するわけです。彼女らにとってはなかなか迷惑で、そこら辺も踏まえるとハインリッヒの言動は浅はかと言わざるを得ません。
結論
彼は地球教に利用されて自身の命を落とし、尚且つマリーンドルフ家にも迷惑をかけてしまう愚か者という印象があります。
ストーリーにおいて、初めてキャンメル事件を見た時は唖然としたのを覚えています。
キュンメルの振り見て我が振り直そうと、心に誓う、そんなエピソードでした。
銀河の歴史が、また一ページ★